前回のブログで「投影」について少し触れましたが、今回はこの防衛機制について少し掘り下げていきたいと思います。
私たちは生きていく中で、叶えたいことなど様々な欲求がありますが、常に満たされることはありません。
また、仕事などで上司から求められることにプレッシャーを感じたり、同僚と比較して気持ちが落ち込んでしまうこともあるかと思います。
このように、私たちは自分の内面的な欲求や、外的なストレスに対処していかなければなりませんが、これらが自分にとって負担と感じた時に、精神的な安定を維持するために自分の心を守ろうと働く力があります。
このことを防衛機制といい、ストレスなどから自分の心を守るために無意識に使っています。
防衛機制にはいくつか種類があり、主なものと分類は以下の通りです。
①精神病的防衛
最も未熟な防衛機制であり、5歳以下によくみられるパターン。
・否認・・認めたくない事実から目をそらし、無かったことのように振る舞う。
・分裂・・良いところ、もしくは悪いところしか見ないようにする。
・躁的防衛・・ネガティブな思いを感じないよう、過度に明るく振る舞ったり、攻撃的になる。
②未熟な防衛
15歳頃までに認められる防衛機制で、短期的には気持ちを和らげることができる。
・退行・・受け入れがたい状況に直面した時、幼児期のような行動を取るなど、未発達な段階に戻る。
・投影・・自分の受け入れがたい感情を、他人が持っているものと思い込む。
・行動化・・抑圧された衝動や葛藤が問題行動として表出する。(自傷行為など)
③神経症的防衛
大人になってもよく認められる防衛機制で、多くは生活に支障をきたさない。
・抑圧・・実現困難な願望などを拒否して、無意識の中に封じ込める。
・反動形成・・受け入れたくない事実とは、反対の行動を取る。
・合理化・・満たされなかった欲求に対し、理由をつけて気持ちを落ち着かせる。
④成熟した防衛
受け入れがたい感情を無意識的に避けるのではなく、感情を認識して意識的に対処できる。
・抑制・・ネガティブな感情を意識しながらも、それを抑制して対応ができる。
・昇華・・ネガティブな感情や欲求を、社会的に認められる行動に置き換える。
・先取り・・将来の困難などを見越して、先に対策を講じる。
繰り返しになりますが、防衛機制で生じる対処の多くは、無意識に行われるものが多くを占めます。
しかし、知らないまま繰り返し行っていると、心のバランスを崩してしまったり、仕事などでは人間関係の悪化や、社会的な問題を引き起こす原因となってしまう場合があります。
そのため、防衛機制を意識するときに大切なのは、成熟した対処ができるかといったことです。
他者との関係が上手くいかないときなどは、精神病的防衛や未熟な防衛によって生じる行動が原因になっている可能性があります。
自分の無意識のストレス対処のパターンに気づき、健康的な防衛機制に置き換えていくことが重要です。
今回のブログはここまでとなりますが、My Pieceおだわらでは、プログラムやスタッフとの面談を通して自己理解を深め、一人ひとりに合った対処法を一緒に考えていくことで、安定した就業生活を維持する上で最も大切な、自己管理スキルを身につけることができます。
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