WRAPとは?
WRAPとはWellness Recovery Action Planの頭文字をとったもので、アメリカのメアリーエレン・コープランド氏が考案した、セルフヘルプのツールのことをいいます。
つまり、毎日を元気で生きること、また気分の不快あるいは危険な状況への気づきを促し、体調不良に陥った時に回復を促すための行動プランになります。
自身も精神疾患(鬱病)をもつメアリー氏を中心に、精神疾患を抱えながらも前向きに生活を送れる状態にある約120名の当事者へのヒアリングをもとに作られており、現在も世界中で活用されています。
日本でも精神疾患からのリカバリーに資するとしてワークショップも開催されるようになっており、「元気回復行動プラン」と呼ばれています。
WRAPに必要な5つの要素
WRAPを作る際にメアリー氏は多くの当事者にヒアリングを行っていますが、その中で元気で豊かな暮らしぶりを感じさせる人々には、5つの共通する要素があることに気づきました。
これが、元気に大切な5つのことで、WRAPの考え方のもとになっています。
① 希望の感覚
どのような境遇におかれていたとしても、苦しみには終わりがくると思えること、現状は変わると信じられること、何か道が開かれそうな感覚_そのような明かりが見えるような気持ちが「希望の感覚」です。つまり、将来に対して悲観的にならないといった考え方のことをいいます。
② 自分が主体になること
障がいの有無にかかわらず、自分のことを自分で決めて生きていくことは難しいものです。もしも自分自身の感覚や感情などは信頼できないと考えてきた人は、自分の内なる声を聴き、その声を尊重した選択をすることは、非常に勇気のいることかもしれません。しかし、自分が苦しい状況にあるとき、様々な環境の制約があるときに、自分がどのような対応を求めるか、自分で選択してその責任を引き受けるということが、人生の主導権を自分の手に取り戻すことにつながります。つまり、自分自身が自分の専門家であり、健康や生活に対して責任を持つことが大切であるという考え方になります。
③ 学び
自分の健康に自分自身で責任を持つとしたら、今の自分には何が必要なのか、何が合っているのか、どのような選択肢があるのかを学んでいく必要があります。もちろん、自分自身のことについても、より学び(理解)を深めていくことも求められます。学ぶこと、知ることによって、自分の望む生活に適切な選択ができるようになるといった考え方になります。自分にとって何が大切か、何が役に立つのか、そして自分が何を望んでいるのかを知ることが大切です。
④ 自分のために権利擁護をする(セルフアドボカシー)
権利とういう概念は日本ではあまり馴染みのないものかもしれませんが、私たちは誰しもが人として当然の基本的人権を保障される立場にあります。自分の人生に主導権を持ち、主体的に学んだとしても、環境の制約などによって現状では叶えられないこともあるかと思います。しかし、そこで諦めずに自分の望む生活を声に出していくことをWRAPでは大切にしています。つまり、自分が必要としていること(時にはとても当たり前のこと)を勇気を持って冷静に声にして伝え、人々と対話することで自分自身の権利を守るといった考え方になります。
⑤ サポート
ここでいうサポートとは、お互いの力になることを意味しています。主体的に生きるためには、自分が必要とするサポートを自ら手を伸ばして得ることも必要ですが、片方ばかりがサポートを受けるのではなく、お互いがそれぞれの力になるといった関係性を育むことも大切です。相互的なサポート体制を構築することで、人とのつながりや関係性が豊かになり、健康であり続けることができるようになります。
今回のご紹介はここまでとなりますが、WRAPは各段階に応じてプランを作成していくため、7つの手順が存在します。
My PieceおだわらではWRAP以外にも様々なセルフヘルプのツールを学ぶことで、安定就労に必要な自己管理スキルを身につけることができます。
このほかにもどのようなサポートが受けられるかもっと知りたい、またはオフィスの雰囲気を見てみたいなど、ご興味のある方はお気軽にご連絡ください。
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