私たちの頭の中では、「思考」が浮かんでは消えるを絶えず繰り返しています。
そして、私たちは自分の思考をついつい真面目に捉えてしまう傾向にあります。
例えば、仕事でミスをした際に
「自分はダメな人間だ」
「何をやっても上手くいかない」
「何でこんなミスをしてしまうんだろう」
などの思考が浮かんで、気持ちが落ち込んでしまった経験があるかと思います。
これは以前のブログ「心に苦悩が生まれる原因」でも書いた、本来は色々な見方ができるはずの何かに、ネガティブな情報だけを結び付けて理解している状態にあります。
そして、「自分はダメな人間だ」と思うと、そのイメージが現実と結びついて(フュージョン)、何をするにしても、どんな時でも「自分はダメな人間だ」と信じるようになってしまいます。
これが、認知的フュージョンと呼ばれる現象で、人間はイメージと現実を脳内の同じ分野で処理しているため、区別ができないことで生じます。
つまり、思考したイメージ=現実と認知しやすいということです。
そのため、ネガティブな考えから脱却するためには、「思考」から距離を置いて、現実と結びついていく必要があります。
これを脱フュージョンといいます。
代表的な脱フュージョンのテクニックとしては、マイナスの思考が浮かんだ時に、「〇〇であるという考えを持っています」を最後に付け加える方法があります。
例えば「自分はダメな人間だ」といった考えが浮かんだら、「私は自分がダメな人間であるという考えを持っています」と直してみます。
こうすることで、認知的フュージョンにある状態を客観的に把握できるようになり、「思考」が「現実」から切り離せた状態になっていきます。
他にも、「私は〇〇という感情を持っています」「私は〇〇という傾向にあります」など、考え以外のものにも活用できるので、表現を変えることで思考と一体化している状態から、思考を外側から客観的に見る視点(観察する自己)に切り替えることが容易になります。
私たちは思考と一体化しやすいため、ネガティブな考えに陥りやすいですが、思考から物事を見るのではなく、外側から思考を見ることができるようになれば、ネガティブな考えから脱却することができるようになっていきます。
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